痩せ体質の鍵はケトン体にあり!今日からできるケトン体ダイエットのやり方とポイント

短期間で集中して行うため、効果が早く実感できると話題のケトン体ダイエット。しかし、成功するためには、いくつかポイントを抑えることが大切です。
正しい方法で行えば、理想の身体をきっと手に入れられるはず。そのためにもケトン体ダイエットの仕組みと同時に、メリット・デメリットもしっかりと頭に入れておきましょう。
準備が整ったら、まずは2週間実践するのみ。でもどうせ実践するならば効率よく行いたい。そこで、ケトン体ダイエットをサポートするおススメ食材も紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
・ ケトン体とは?血中の糖が不足して脂肪燃焼状態になること
・ ケトン体ダイエットのメリット
・ ケトン体ダイエットのデメリット
・ ケトン体ダイエットのやり方と成功のポイント
・ まとめ
ケトン体とは?血中の糖が不足して脂肪燃焼状態になること
そもそもケトン体とは何でしょうか。痩せられる仕組みとともにみていきましょう。
ケトン体ってなに?
人の身体は、エネルギーとして使われる糖が不足したときに、体内の脂肪を分解してエネルギーを作り出します。このときに、肝臓で作られるのがケトン体です。
ケトン体はアセトン、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸の総称。
後者の2つが脳や全身の細胞で使われ、アセトンは呼気や汗から体外に出てしまいます。
ケトン体が血液中に高い濃度である状態をケトーシスといいます。つまり脂肪が積極的に燃焼されているということ。ケトン体ダイエットは、身体をケトーシス体質にすることによって、痩せることを目指す方法です。
ダイエットができる仕組み
身体のエネルギーとして使われる栄養素には、消費される優先順位が決まっています。
それは以下の通り。
1. 糖質
2. 脂質
3. たんぱく質
ケトン体ダイエットは、糖質(炭水化物)の摂取量を減らして、脂肪を優先的に燃焼させようとする方法です。
通常、糖質(炭水化物)を摂取すると、グリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵され、エネルギー源となります。しかし、余った糖は、インスリンによって中性脂肪として蓄積されてしまうことに。これが太る一因です。
糖質(炭水化物)を減らすと、血中の糖が少なくなりエネルギーが不足状態となります。すると身体は、脂肪を燃料として使うようにシフトするのです。
中性脂肪は脂肪酸とグリセリンに分解され、エネルギーに。一部は肝臓に運ばれ、ケトン体が生成されます。このケトン体は、心臓や腎臓をはじめとしたあらゆる細胞で使われます。このように、脂肪からケトン体エネルギーを作り出す経路をケトン体回路といいます。
ケトン体ダイエットは、糖質を減らしケトン体回路を活発にしようとする方法。活性化すれば脂肪がエネルギーとして燃焼されるので、ダイエットにつながることになるのです。
ケトン体ダイエットのメリット
多くの人が実践するケトン体ダイエット。そのメリットは何でしょうか。
短期間でできる
ケトン体ダイエットは、ケトン体を出す状態にするために、最初は炭水化物を極端に減らします。身体は飢餓状態になるため、長い間続けるダイエットではありません。
まずは2週間、糖質を徹底的に制限。15日目からは少しずつ糖質を増やしていきます。糖質制限ダイエットのように長期的なものではないので、集中して取り組むことができるでしょう。
効果が出やすい
始めに厳密に糖質を制限するため、2~3日でケトン体回路がオンになることがほとんど。人によっては1週間で数キロ痩せる人もいるようです。しかも終了後も脂肪を燃焼しやすい体質になることができます。
だからといって、ダイエットを終えてすぐに糖質をしっかり摂取する生活に戻すと、リバウンドしかねません。さらに、糖からエネルギーを作る体質に戻ってしまいます。少しずつ糖質量を増やしていくことが成功のカギとなります。
集中力が増す
意外かもしれませんが、集中力が高まるという効果も。
ケトン体ダイエットのデメリット
ケトン体ダイエットを実践するならば、デメリットを把握しておくことが大切。しっかりチェックしておきましょう。
イライラしやすくなる
ケトン体ダイエットを始めてすぐは、身体が低血糖状態に慣れていません。そのため頭痛がしたりイライラしたりすることがあります。すぐにケトン体回路にスイッチできないため、エネルギーをうまく作れずにパワー不足になることもあります。
2~3日で慣れるため、症状が落ち着くことが多いようです。あまりにも長く頭痛やイライラなどが続く場合はダイエットを中止することをおすすめします。
また、ケトン体が血液中に増えすぎてしまうことをケトアシドーシス状態といいます。この場合も、頭痛、めまい、吐き気などがおこることも。ただし、これはとても危険な状態。命に危険を及ぼすかもしれないので、すぐに中止し病院を受診することをおすすめします。
体臭が強くなる可能性
ケトン体はアセトン、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸の総称であることは最初に説明したとおり。その中のアセトンは揮発性が高く、呼気や汗から体外に出てしまいます。
しかし、アセトンは甘酸っぱいような、果物が腐ったような臭気があり、体臭がきつくなる可能性も。血中のケトン体濃度が高いと、より強くなることもあります。
その場合は、運動を取り入れて、ケトン体をエネルギーとして消費させるようにしたり、水分をたくさん摂ったりするとよいでしょう。
ケトン体ダイエットのやり方と成功のポイント
メリットとデメリットを両方把握したら、さっそく実践してみましょう。
ケトン体ダイエットのやり方
やり方はとても簡単です。
・ 2週間、糖質を1食20gにする
・ たんぱく質、食物繊維、ミネラルを意識して摂る
たったこれだけ。
例えば、主食から糖質を1食20gとなるとこうなります。
・ ご飯 茶碗 1/3杯
・ パスタ(乾麺)約30g
・ 食パン8枚切り 1枚弱
ただし、糖質が含まれているのは、主食だけではありません。イモ類や根菜類にも多く含まれている場合があります。注意したいのは調味料。砂糖やみりんはもちろん、ケチャップ、ソース、ドレッシングなどにも糖質は含まれています。
主食以外にも糖質が多く含まれていることを考えると、2週間だけは主食を一切摂らないくらいでよいでしょう。その分、肉や魚などのたんぱく質、野菜などから食物繊維をたっぷりととることが大切です。
避けたい食品
避けるべき食品をしっかりとチェックしておきましょう。
・ ご飯、パスタ、パンなどの炭水化物
・ 根菜(にんじん、ごぼう、かぼちゃなど)、イモ類
・ お菓子、スナック類
・ 糖質を含む調味料(砂糖、みりん、ドレッシング。ケチャップなど)
・ 醸造酒(ビール、日本酒、梅酒など)、甘いアルコール(酎ハイ、カクテルなど)
・ 牛乳、ヨーグルト
炭水化物であるご飯、パスタ、パンなどを徹底的に減らすのはもちろん、スナックや甘いお菓子も当然NG。小麦粉や米粉を含む加工食品にも注意しましょう。
根菜類の他にもトマトも意外に糖質は高めです。葉野菜は糖質が少なく、食物繊維が摂れるので積極的にとりたいところ。
サラダを食べるならば、ドレッシングではなくマヨネーズがおすすめです。野菜は両手に山盛りで持てるくらいの量を目安に摂りましょう。
牛乳やヨーグルトには乳糖が含まれているためNGです。豆乳はOKですが、成分無調整のものを選びましょう。
おすすめの食品
ご飯やパンが好きな人には少しきついかもしれませんが、ケトン体ダイエット中に食べても良いものはたくさんあります。
・ 肉、魚全般
・ 卵
・ チーズ
・ 葉野菜
肉や魚は野菜と同量摂るようにしましょう。ただし、衣がついた揚げ物などは避けること。砂糖やみりんを使った煮物や、ケチャップやソースなどにも注意が必要です。かわりにスパイスを上手に使うと物足りなさがありません。
ハム、ソーセージ、魚の缶詰なども商品によっては糖質が多い場合があります。同様に、はんぺんやちくわなどの練り物も避けた方がよいでしょう。
良質な油を摂る
良い油は、痩せやすい身体作りをサポートしてくれます。おすすめは以下のふたつ。
・ オメガ3脂肪酸:魚介類、亜麻仁油、えごま油など
・ 中鎖脂肪酸:ココナッツオイル
オメガ3脂肪酸は、腸内環境を整えたり血流を良くしたりする効果があります。ただし、熱に弱いので、ドレッシングにいれたり、カルパッチョやサラダなどにかけたりするのがおすすめ。
ココナッツオイルは体脂肪になりにくく、代謝をあげるので美容効果が期待されます。さらに主要成分である中鎖脂肪酸は、体内に入るとケトン体に変換されます。つまり、より効率よく脂肪が燃焼されることに。
ココナッツの甘い香りが多少しますが、味はほとんどありません。コーヒーに入れればまろやかなコクが増すし、パンやクラッカーに塗っても食べやすいです。
ケトン体ダイエットにココナッツオイルを取り入れれば、強い味方になってくれるでしょう。ぜひ取り入れてみてはいかがですか。
まとめ
糖質制限ダイエットの進化系ともいえるケトン体ダイエット。短期間で行い、すぐに結果が出やすいので、モチベーションも維持しやすいでしょう。
食べないダイエットとは違い、肉・魚・卵などはたっぷり食べられるので、ストレスもありません。慣れてくると糖質を摂らなくても全然辛くなかったという人も多いようです。
ただし、糖質を減らすことによって体調が悪くなった場合は、決して無理をしないこと。炭水化物の量を少し増やすか、途中で辞める決断も必要です。
この記事の監修者のご紹介

管理栄養士・フードコーディネーター
大学卒業後、食品メーカーに就職し、飲食店向けのメニュー提案や商品開発に携わる傍ら、フードコーディネーター の専門学校を卒業。
栄養講座の講師や食事指導、飲食店プロデュースや料理教室講師、大手メーカーの商品開発など幅広く手がけ、現在は、講座講師や食事指導および企業向けのレシピ開発の他、美味しくて見た目も魅力的、なおかつ健康にもプラスになるような料理を広めるために活動を行なっている。