体のコゲである糖化は老化の原因!?原因と予防法を知りたい

若い頃は特に気にならなかったけれど、年齢を重ねるごとに肌の悩みが増えてくると頭を抱えている人も多いでしょう。加齢による肌の老化には抗うことができないのでいつまでも若い頃の肌のまま保つことは難しいものですが、それでもできる限りきれいでいたいと願うのが乙女心というもの。
肌悩みと言ってもいろいろありますが、多くはニキビやシミ・シワなどではないでしょうか。
これらは肌の「酸化」によって起こる場合もありますが、実は「糖化」にも気をつけなければなりません。「酸化」が肌のサビつきだとすると、「糖化」は肌の焦げつきというわけです。
糖化を放っておくと健康的にもダメージが大きくなってしまうので、早めにケアをしておくことが大切です。
【目次】
・ 糖化の原因はなに?
・ 糖化はどんな症状を起こすか?
・ 糖化予防のためにできること
・ まとめ
糖化の原因はなに?
「酸化」という言葉はよく聞くものの、「糖化」に関してはよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
余分に摂取した糖質が体内にあるタンパク質と結合することでAGEs(糖化生成物)という成分が生まれます。
この成分が細胞を劣化させて、シミやシワを増やす原因となるのです。
また、この物質は内臓や体内の組織に働きかけて病気を引き起こすこともあるので、注意しなければなりません。糖質は炭水化物と食物繊維に分けられますが、炭水化物はついつい食べ過ぎてしまうこともあるので、注意が必要です。特に日本人は主食が炭水化物なので、知らず識らずのうちに糖質を摂り過ぎていることがあります。
原因1: とりすぎたブドウ糖
糖化が起こる原因としては、ブドウ糖の取りすぎが挙げられます。
ブドウ糖は人間の体を活動させるためのエネルギー源ではありますが、摂りすぎると体に負担となってしまうので、気をつけなければなりません。
前述の通り、余分な糖質が体内のたんぱく質と結合して細胞を劣化させる物質を作りだしてしまうので、結果的に肌の老化が進行していきます。
原因2: 甘い飲み物等に含まれる果糖
次に「糖化」を予防する上で気をつけなければならないのが、「高果糖シロップ(異性化糖)」です。
研究よると、高果糖シロップは「糖化」を起こす可能性がブドウ糖の300倍とも言われているので、特に注意が必要です。
高果糖シロップは主にコーンシロップと呼ばれるとうもろこしのでんぷんが主に使用されており、清涼飲料水などに多く含まれています。飲み物に含まれる場合は「ブドウ糖果糖液糖」などと表記されています。
高果糖シロップが多く含まれるジュースにはコーラやサイダー、スポーツドリンクなどの甘い飲み物などです。
甘ければ甘いほど高果糖シロップが含まれている量が多いので、注意が必要です。だからと言って「糖類ゼロ」と書かれているものは、それはそれで人工甘味料が含まれている可能性があります。
糖化はどんな症状を起こすか?
糖化は肌を老化させるなど厄介なものですが、どのような症状が出るのでしょうか。
必ずも肌を老けさせるだけではなく、健康的な面でも悪影響を生じさせてしまうので、気をつけなければなりません。
ここからは糖化が引き起こす症状について紹介していくので、チェックしてみてください!
症状1: 肌のたるみ、しわなどの老化
体が糖化すると、しわやたるみなどの肌トラブルが目立つようになります。
糖化によって生み出されるAGEsという成分は、肌のハリを保つ成分であるコラーゲンを結合させて弾力性を低下させてしまいます。その結果、顔のぷるんとした弾力が失われて、硬くなって肌がたるんでしまうのです。顔がたるむと一気に老けて見えてしまうので、これは深刻な問題と言えます。
また、AGEsはコラーゲンやエラスチンの代謝も遅らせるので、どんどん肌の弾力が低下して、たるみだけでなくしわも引き起こしてしまうのです。しわやたるみができてしまうと年齢の割に老けた印象になってしまうので、気をつけましょう。
いつまでも若々しい素肌を保つためにも、糖化を抑えて肌の老化を食い止めることが大切です。
症状2: 骨粗しょう症などの病気
体の糖化は肌の老化だけでなく、病気などを引き起こす事おあるのでなお注意が必要です。体の大部分に存在するコラーゲンは骨を構成するタンパク質の一種で、体積あたり5割の部分を占めています。しかし、糖質を摂りすぎる事でこのコラーゲンの働きが低下してしまうと、骨の柔軟性が失われて硬くもろくなってしまいます。
年齢を重ねるごとにどんどん骨がもろくなってしまう事で、骨粗しょう症になるリスクがグーンとアップしてしまうので注意が必要です。骨粗しょう症は名前自体は知っていてもあまり重要視していない人もいるかもしれませんが、実は日本には1,000人もの患者がいます。そして、中でも8割は女性だと言われています。気づかぬうちに骨がもろくなってしまっていることもあるので、意識的に食生活を改善していきましょう。
糖化予防のためにできること
体の糖化はとても厄介なものですが、きちんと対策をして予防していけば、さほど怖いものでもありません。では、糖化を防ぐためにはどのようなことをすればいいのでしょうか。ポイントとしては2つあるので、チェックしてみてください。
血糖値を上げない食生活
糖化は糖質の取りすぎで起こるものであり、血糖値の急上昇によってさらに拍車がかかります。これを防ぐためには、血糖値が上がりにくい食品を摂取することが大切です。炭水化物などの糖質を摂りすぎないようにすることは大切ですが、それでも食べたいということもあるでしょう。
そのような時には、炭水化物を完全カットするのではなく、低GIといって血糖値が上がりにくい食品をとるといいでしょう。具体的には蕎麦や玄米などがこれに該当します。また、血糖値の上昇を抑えるための食材を糖質の前に摂取しておくのも効果的です。
例えば、野菜などに含まれる食物繊維には血糖値の急上昇を防ぐ効果が期待できるので、野菜中心の食生活を心がけてましょう。
食生活を改善するだけでも糖化はぐっと抑えられるので、糖質をたくさん摂っていると感じたら、毎日少しずつでもいいので減らしていくといいでしょう。
有酸素運動
体の糖化を抑えるためには、食生活の改善だけでなく有酸素運動も有効です。
糖質を取ってから1~1時間半ほどで血糖値の上昇がピークを迎えますが、このタイミングでブドウ糖をエネルギーとして使う有酸素運動をすると適度に糖が消費され、糖化が抑えられるとされています。
有酸素運動にはウォーキングやジョギング、水泳やヨガなどがあるので、気になるものがあったら試してみるといいでしょう。
ただ、そうは言っても激しい運動をしすぎると今度は消化活動が妨げられてしまうので、注意しましょう。有酸素運動は20分以上続けると脂肪燃焼が始まるので、ダイエット目的として行うのにも有効です。
まとめ
今回は、糖化が肌や体に及ぼす影響について紹介してきました。糖化は酸化と同じくらい厄介なものではありますが、きちんと対策をすれば防げないものでもありません。
糖化は糖質の摂りすぎが主な原因となるので、まずは食生活を改善して糖質を摂りすぎない工夫をすることが大切です。また、糖質を溜めないようにするためには適度にエネルギーを使うことが大切なので、有酸素運動を取り入れることも大切なことと言えます。
少しずつでもいいので生活を改善していくことで、糖化の起こりにくい体にすることができるので、紹介した方法をぜひ試してみてください!
この記事の監修者のご紹介

管理栄養士・フードコーディネーター
大学卒業後、食品メーカーに就職し、飲食店向けのメニュー提案や商品開発に携わる傍ら、フードコーディネーター の専門学校を卒業。
栄養講座の講師や食事指導、飲食店プロデュースや料理教室講師、大手メーカーの商品開発など幅広く手がけ、現在は、講座講師や食事指導および企業向けのレシピ開発の他、美味しくて見た目も魅力的、なおかつ健康にもプラスになるような料理を広めるために活動を行なっている。