脂肪を燃焼させるには食事制限だけじゃダメ!?体を引き締めるコツとは

運動しても食事制限してもなかなか落ちない、憎き脂肪。
しかし、痩せるためには実は、脂肪を味方につけることが大切なのです。
いらない脂肪を味方に? と言われると意外に思うかもしれません。
実は脂肪の種類は2つ。いわゆる体のお荷物である脂肪の他に、脂肪自体を燃焼させる効果がある脂肪があるんです。
この脂肪細胞を活性化させることがダイエットのカギ。
この記事では、脂肪燃焼のメカニズムや意識すべきコツについて解説していきます。
【目次】
・ 脂肪を燃焼させる3つの行動
・ 褐色脂肪細胞の活性化して脂肪を燃焼させる方法
・ 脂肪を燃焼させる食品
・ まとめ
脂肪を燃焼させる3つの行動
まず燃焼の前に、脂肪をため込まないためには、2つの方法がよく知られています。
・ 余分なエネルギーを摂取しない。かつ、糖質を減らした食事を意識する
・ 運動をして脂肪を燃焼させる
実はもう1つあるのです。
・ 脂肪細胞を味方につける
1.食事を見直す
摂取した食べ物はブドウ糖と脂肪酸に分解され、エネルギーとして利用されます。
しかし、体内で消費されなかった分は、脂肪細胞に運ばれ蓄えられていきます。
蓄積された脂肪が使われずにどんどん溜まっていけば、肥満へ一直線です。
これを防ぐには、
・ 食べ過ぎを防いで摂取カロリーを抑える
・ 脂肪となる糖質を控えて、筋肉の素となるたんぱく質を積極的にとる
筋肉が減ると基礎代謝が落ち、それだけ消費エネルギーも減少してしまいます。
まったく糖質を摂らないのは身体の不調につながりますが、なるべく控えるようにして、その分、良質なたんぱく質を意識してとるように心がけましょう。
2.有酸素運動で脂肪を燃焼
運動といっても、きつい走り込みなどは必要ありません。
激しい運動ほど糖質が先に使われてしまいます。そのため、一定時間持続可能な有酸素運動がオススメです。
有酸素運動の脂肪燃焼のメカニズムは次のようになります。
1. エネルギーとして体内の糖質が使われる
2. 糖質も不足すると、脳から脂肪を分解するように指令がでる
3. 運動などの刺激により、交感神経が活性化し、リパーゼが分泌される
4. リパーゼが脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解する
5. 細胞内のミトコンドリアによって、遊離脂肪酸と酸素がエネルギーとして消費される
体内の糖質が不足すると、脂肪がエネルギーとして使われます。
しかし、そのままでは消費は不可能。
遊離脂肪酸とグリセロールに分解されることが必要です。ただし、リパーゼという酵素が分泌されなくてはこの分解作業が行われません。
運動が交感神経が活発化し、リパーゼを分泌させるように脳に指令を出すのです。
こうして分解された遊離脂肪酸と酸素が筋肉のミトコンドリアに供給されると、脂肪燃焼が促進されます。
3.脂肪を味方にする
脂肪を燃焼させる3つめのポイントは、「脂肪を味方につける」こと。
実は脂肪細胞には2種類あります。
・ 白色脂肪細胞
・ 褐色脂肪細胞
褐色脂肪細胞とは、脂肪を燃焼させる働きをする細胞のことです。
つまりこの褐色脂肪細胞を活性化することがダイエットへと繋がるのです。
2つの脂肪細胞の違いや働きについて、詳しくみていきましょう。
肥満の原因になる「白色脂肪細胞」
一般的に脂肪と言われるは、白色脂肪細胞。
この細胞は、過剰な糖質や脂質を摂りこんで中性脂肪として蓄える機能を持っています。
以前は思春期に細胞の数が決まり増加しないというのが通説でしたが、近年の研究では、足りなくなればどんどん細胞の数が増加していくことが分っています。
脂肪をエネルギーに変える「褐色脂肪細胞」
脂肪細胞でありながら、白色脂肪細胞とは真逆の働きをするのがこの褐色脂肪細胞です。
遊離脂肪酸をとりこんで熱を産生するのはミトコンドリアでしたが、褐色脂肪細胞にはこのミトコンドリアが多く存在しています。
そのため、脂肪を熱に変えてエネルギーとして消費してくれる働きがあります。
この細胞を最も多く持っているのは赤ちゃんの時、赤ちゃんは筋肉が少ないため、脂肪を燃焼することで発熱し、体温を維持しています。
しかし、成長するに骨格筋ができあがります。
熱源が筋肉に移行するため、年齢とともに褐色脂肪細胞は減少する傾向あります。これが中年太りの原因の1つともいわれています。
褐色脂肪細胞の活性化して脂肪を燃焼させる方法
褐色脂肪細胞は年齢を重ねるごとに減少していくきますが、全てが無くなってしまうわけではありません。
体の下記のに集中して存在することがわかっています。
・ 首
・ 肩甲骨周り
・ 背骨周り
・ わきの下
褐色脂肪細胞を増加することは残念ながら増やすことはできませんが、残っているものを活性化させれば、消費するエネルギーが増加し脂肪を燃焼させます。
活性化の方法には次のようなものがあります。
・ 寒冷刺激
・ 辛い食べ物を食べる
・ 運動をする
赤ちゃんの場合と同様に、褐色脂肪細胞は体温低下を防ぐ役割があるため、寒さによる刺激を与えると活性化します。
体温調整以外でも、辛いものを食べたり、運動をしたりすることで、刺激となってアドレナリンやノルアドレナリンというホルモンが分泌されます。
結果、褐色脂肪細胞を活性化し、エネルギーの消費増加します。
ダイエットだけでは無理
白色脂肪細胞を減らすために、食事制限によるダイエットだけを行うのは間違いです。確かに脂肪は減りますが、同時に筋肉も失われてしまいます。
エネルギー消費には、大きくわけて3つあります。
1. 基礎代謝:呼吸したり内臓を動かしたり、じっとしていても生命維持のために使われるエネルギー
2. 食事誘発性熱産生:食べものを摂取した際に、消化・吸収のために使われるエネルギー
3. 生活活動代謝:家事や仕事などの日常生活や運動など、身体を動かす際に使うエネルギー
基礎代謝はエネルギー消費の約6~7割を占めており、筋肉量に比例して増減します。つまり、筋肉が落ちれば消費エネルギーも減り、太りやすい体質になってしまうのです。
筋肉を増やす
先ほど褐色細胞を活性化させるためには、3つの方法があると説明しました。その中でも、寒冷刺激、つまり寒いと感じることが一番効果的です。
しかし、現実的には無理があるのも事実。
もちろん、手を冷たい水に浸す、首にアイスベルトを巻くなどという方法もありますが、ある程度の時間続けなくてはいけないので、やはり難しい面があります。
そうなるとやはり運動が効果的といえます。
筋肉には遅筋と速筋がありますが、褐色脂肪細胞を活発にするならば遅筋を鍛えることがおすすめです。遅筋は持久力を必要とする運動に必要な筋肉。速筋は瞬発力を発揮する運動に向いている筋肉です。
つまり、遅筋を鍛えるためには、ある程度持続して行うジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が効果的です。寒冷刺激をプラスするならば、水泳もいいかもしれません。
脂肪を燃焼させる運動
効果的に運動を行うコツを2つ紹介させていただきます。
合計20分の有酸素運動をする
脂肪を燃焼させるには有酸酸素運動が効果的。ただし、先ほど説明したように、激しい運動は、脂肪ではなく糖質を消費する割合が高くなってしまいます。
かといって、だらだら軽い運動をしても意味がありません。息が切れるほどではなく、会話ができるギリギリの強度のものが良いとされています。ジョギングがつらい場合は、ウォーキングで十分です。
また、以前は20分連続での運動が定説でしたが、現在の理論では、必ずしも連続運動でなくても脂肪燃焼することがわかっています。
ウォーキングの時間がとれないならば、日常生活の中でちょっと意識するだけでも違ってきます。通勤時に早歩きで駅まで行く、エレベーターを使わずに階段を上る、買い物は自転車ではなく歩いて行く、などの積み重ねが脂肪燃焼につながります。
空腹時に運動する
運動は、食後ではなく、空腹時に運動するのがおすすめです。空腹時の血糖値が下がっている状態であれば、糖よりも脂肪がエネルギーとして使用されます。
お腹が空いているときに運動なんかできない!という人は食後2時間以上あけるとよいそうです。
脂肪を燃焼させる食品
脂肪を燃焼させやすい食べ物を摂取してから運動すればさらに効率もUPしますので、意識して摂取するようにしてみましょう。
唐辛子
辛み成分であるカプサイシンが、褐色脂肪細胞に働きかけて脂肪燃焼を促進させます。からしやわさびのアリルイソチオシアネート、生姜のパラドールなども同様です。
だからといって食べ過ぎると胃腸に負担がかかります。また、食欲増進効果もあるので、注意しましょう。
褐色脂肪細胞を活性化する食べ物は、他にも
・ 青魚に豊富なDHA、EPA
・ オリーブオイルに豊富なオレウロペイン
・ 緑茶の茶カテキン
・ コーヒーのカフェイン
などがあります。
卵
卵はビタミンCと食物繊維以外の栄養素を含む完全栄養食品です。基礎代謝を落とさないためには、たんぱく質をしっかりとって筋肉を維持することが大切。卵はたんぱく質はもちろん、ビタミンA、B2などを多く含んでいます。
また、朝食に卵を摂ることがおススメです。卵2個を使ったハムエッグなら、1日に必要なたんぱく質の1/3が摂れます。朝食をしっかりとることで代謝もUP。朝食を抜くとお昼にお腹が空きすぎてついドカ食いしてしまう…ということも防げるでしょう。
さらに卵は、たんぱく質を構成するアミノ酸のなかでも、必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。アミノ酸には脂肪を分解する酵素であるリパーゼが含まれています。
卵を摂取してから運動すれば、脂肪燃焼効果が高まります。朝食に卵をたべてから通勤・通学で歩いたり、家事をこなすだけでも効率的に脂肪を燃焼させることができるのです。
アーモンド
アーモンドの主成分は不飽和脂肪酸。これは中性脂肪やコレステロールを抑えてくれる働きがあります。
また、豊富なビタミンB2が脂肪の燃焼効果を促進してくれます。ただし、やはりアーモンドは高カロリー。1日20粒程度を目安に摂取しましょう。
まとめ
近年の研究では、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞に次ぐ、新たな脂肪細胞の存在があることがわかったそうです。
その名もベージュ脂肪細胞。褐色脂肪細胞と似た働きをするのですが、これは白色脂肪細胞が変化したものです。まだまだ発見されて間もないので、不明な点も多い細胞ですが、活性化する方法は、褐色細胞と同じ。唐辛子や青魚などを意識して摂取し、有酸素運動をすること。
脂肪燃焼を意識して運動を続けることで、にくき白色脂肪細胞もベージュ脂肪細胞に変えられるかもしれません。
毎日の積み重ねが、痩せ体質を早く手に入れるコツです。