ダイエットで隠れメタボに!?あなたは大丈夫?隠れメタボの原因となりやすい習慣

メタボの判定基準は、まず腹囲が基準値以上であること。これに引っかからなかったからといって油断していませんか?
見た目はそれほど太っていなかったり、体重が標準値だったりしても、身体のなかには内臓脂肪がたっぷりついているかもしれません。内臓脂肪が多いと、高血圧、高血糖、脂質異常などさまざまな弊害をもたらすことに。
このいわゆる「隠れメタボ」といわれる人が、近年とても増えてきているそうです。原因は
間違ったダイエットや生活習慣。
放っておけば、動脈硬化がすすみ、脳梗塞や心筋梗塞につながりかねません。手遅れになる前に、原因や予防法をしっかりチェックして、隠れメタボを予防しましょう。
【目次】
・ 隠れメタボとは?
・ 隠れメタボの原因
・ こんな人は要注意!?隠れメタボになりやすい習慣
・ 隠れメタボ予防のカギは「食事と運動」
・ まとめ
隠れメタボとは?
隠れメタボとメタボの差は何なのでしょうか。判断基準や肥満との違いをみていきましょう。
そもそもメタボって?
メタボとは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の略のこと。医学的には立派な病気に当てはまります。
病気といっても、お腹が出ているという以外に症状はありません。しかし、内臓脂肪が多く、生活習慣病、心臓病、脳などの血管の病気になりやすい状態。
具体的には、内臓肥満であると以下の病気を発症しやすくなります。
・ 糖尿病
・ 高血圧
・ 脂質異常症 など
これらはすべて密接な関係にあり、併発する確率も高くなります。放置すれば動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの発症率も上昇することに。
逆にいえば、運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣を改め、メタボを改善すれば、これらすべての病気を予防することができるのです。
メタボの診断基準 |
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日本の診断基準では、まず、腹囲(内臓脂肪面積100cm³相当)が一定以上あることが指標となっています。
・ 腹囲(内臓脂肪面積100cm³相当):男性85cm以上、女性90cm以上
ただし、これだけではメタボにはあてはまりません。さらに、高血糖、高血圧、脂質代謝異常のうち、2つ以上あてはまるとメタボと診断されます。
具体的な基準は以下の通り。
・ 血圧:収縮期(最大)血圧130mmHg以上 かつ/または 拡張期(最小)血圧85mmHg以上
・ 空腹時血糖:110mg/dl以上
・ 中性脂肪:150mg/dl以上 かつ/またはHDLコレステロール40mg/dl未満
腹囲に関しては、身長の半分の数字を基準とする考え方もあるようです。身長の高い人と低い人で、ウエストサイズが同じ基準であるのはおかしいというもの。160cmの人ならば、腹囲が80cmを超えると要注意ということになります。
特定健康診査・特定保健指導 |
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特定健康診断(特定健診・メタボ検診)を受けたことがありますか?これは、40歳以上74歳以下の人を対象として年に1度行われています。
糖尿病や肥満の人は年々増える一方。そこで、生活習慣病の前段階であるメタボの人たちに警鐘をならし指導することで、病気を予防しようとするものです。
具体的には、メタボに当てはまる人はもちろん近い状態の人に対しても、適切な情報の提供と、食事や運動などの保険指導が行われます。
メタボは、さまざまな病気を併発する可能性が高い状態。早めにリスクを見つけて対策をとることが大切です。そのためにも、健診をきちんと受けるようにしましょう。
隠れメタボの意味
自分は腹囲の基準をクリアしているから大丈夫、と思っていても要注意。実は、痩せていても、内臓脂肪が多く、高血糖、高血圧、脂質異常などが二つ以上あてはまる人がたくさんいるとか。これが「隠れメタボ」です。
メタボはまず、腹囲(内臓脂肪面積100cm³)が基準として判断されることは説明したとおり。さらに高血糖、高血圧、脂質代謝異常のうち2つ以上当てはまる状態でしたね。
しかし、内臓脂肪面積100?かどうかを識別するために、CTスキャンを全員に行うことは不可能。そこでウエストが男性85cm、女性90cmという基準を設定しただけなのです。
つまり内臓脂肪が問題であるということ。厚生労働省によると、腹囲が基準値以下でも内臓脂肪が多い人は、全国で900万人を超えるそうです。これらの人は、メタボ検診をスルーしてしまっているのが現状。
そこで従来の腹囲測定必須の方法が見直されつつあるようです。高血糖、高血圧、脂質異常の結果を重視する方向へと検討中とか。
しかし、2018年現在、健康保険事業の負担が増えることなどを理由に見送られたようです。よって、現在は腹囲が判断基準のまま。とはいっても、隠れメタボの人はメタボの人と同様に、動脈硬化や心筋梗塞などの危険を伴っていることに変わりはありません。
隠れ肥満と隠れメタボの違い
隠れ肥満という言葉も良く聞きますよね。これは、隠れメタボと何が違うのでしょうか。
脂肪が多いことによって、糖尿病、高血圧、脂肪肝、関節症などを引き起こしている場合、肥満症という疾病としてとらえられます。メタボは別名「内臓脂肪症候群」といい、肥満症のひとつです。
そもそも肥満とは、脂肪が必要以上にたまっている状態。BMI(体重kg÷身長m÷身長m)の値が25以上の場合に肥満と判定されます。
隠れ肥満は、体重(BMI)は標準なのに、体脂肪率が高い状態(男性25%以上、女性30%以上)のこと。つまり痩せていても肥満ということになるのです。
肥満や隠れ肥満であるというだけでは、病気ではありません。先ほど上げた糖尿病、高血圧などを発症していると肥満症と診断されます。ただし、肥満の人はたいていいずれかの病気をもっているもの。ほとんどが肥満症に該当しているといえるでしょう。
また、脂肪には、2種類あります。
・ 皮下脂肪 皮膚の下についている脂肪
・ 内臓脂肪 内臓のまわりについている脂肪
皮下脂肪よりも、内臓脂肪のほうが高血糖、高血圧、脂質異常を引き起こす要因に。そのため、内臓脂肪型の肥満の場合も肥満症とされます。
内臓脂肪は皮下脂肪と違い、見た目ではわかりにくいもの。隠れ肥満の人は、内臓脂肪型が多いそうです。
メタボは内臓脂肪型肥満に焦点をあてたもの。このタイプは動脈硬化を進行させる可能性が高く、予防と早期治療が必要な状態をさします。
隠れメタボの原因
隠れメタボの原因は大きく分けてふたつあります。
・ 食習慣によるもの
・ 運動不足やストレスなど生活習慣によるもの
それぞれ具体的にみていきましょう。
食習慣によるもの
内臓脂肪がたまるような食生活をしていませんか。
・ 炭水化物(糖質)の過剰摂取
・ ファストフードやインスタント食品などの高脂肪食
これだけではありません。
・ 不規則な時間の食事
・ 早食い、夜食
これらによっても、内臓脂肪は蓄積されてしまいます。適量であれば問題ありませんが、過剰にたまると脂肪(遊離脂肪酸)が肝臓に流れ、中性脂肪が合成されることに。
中性脂肪が多くなると、さまざまな影響を及ぼします。
・ 血糖値を調整するインスリンの働きを低下させる
・ 血中コレステロールの代謝を異常にする
・ 血圧の上昇
これらはすべて動脈硬化を加速させてしまいます。
また、日本人はもともとすい臓の機能が弱い人が多いとのこと。すい臓は血糖値をコントロールするインスリンを分泌する働きがあります。内臓脂肪が少し増えただけでも影響を受けるため、血糖値が高くなりがち。隠れメタボはこのタイプが多いそうです。
生活習慣によるもの
食事だけではなく、運動不足もメタボの要因です。摂取エネルギー>消費エネルギーとなれば、脂肪は増える一方。
さらに、年齢を重ねると基礎代謝が落ちます。にもかかわらず、摂取エネルギーが若いころと変わらなければ、中年太りになりやすくなります。
ストレスにも注意しましょう。ストレスは食欲中枢を刺激するホルモンを分泌するので、やけ酒、やけ食いのもと。また、精神的疲労があると、ぐっすり眠ることができません。睡眠不足でも食欲を刺激するホルモンが分泌されてしまいます。
ストレスを上手に解消することがメタボの予防にもなります。お風呂にゆっくり浸かる、好きな音楽を聴く、アロマを焚いてみる、など自分なりのストレス解消法をみつけてみましょう。適度な運動はストレス解消にもなるし、脂肪の燃焼にもつながるのでおすすめです。
こんな人は要注意!?隠れメタボになりやすい習慣
隠れメタボになりやすい生活をしていませんか?当てはまるものがないか、チェックしてみてましょう。
極端な食事制限やダイエットをしている
極端な食事制限やダイエットを繰り返している人は要注意。食事を急激に減らせば、一時的に体重は減るかもしれません。しかし身体は飢餓状態に耐えるために、脂肪をため込むようになるので、太りやすい体質になっています。
さらに体重は落ちても、脂肪と一緒に筋肉も減ってしまっています。脂肪を燃やしてエネルギーにするためには筋肉が必要。気がゆるんでリバウンドし、再度ダイエットをしようとしたときには、筋肉量が少ないために脂肪を燃やすことができません。
これを繰り返していると、筋肉がどんどん減って、脂肪が蓄積されることに。体重が標準でも体脂肪率が高い、隠れ肥満になってしまうのです。
筋肉を作るためには、その材料となるたんぱく質やビタミン、ミネラルが必要です。もちろんダイエットをするならば、摂取カロリーを見直すことが必要。その上で、バランスよく、十分な栄養を摂ることが、太りにくい体質を手に入れる近道です。
座って生活していることが多い
筋肉を維持するためには、バランスのとれた食事だけでは不十分。あまり動かず、座ってばかりの生活では、隠れメタボの道へ一直線です。
適度な運動を組み合わせれば、消費エネルギーが増えるだけでなく、筋肉も増えます。結果として基礎代謝も上がることに。基礎代謝があがれば、ダイエット後もリバウンドしにくくなります。
でも、運動は20分以上続けてやらなければ脂肪が燃焼されない…と思っていませんか?確かに運動開始直後はエネルギー源として糖質が使われやすく、20分後くらいから脂肪の利用率が高まります。
しかし、5分でも10分でも脂質は燃焼されています。糖質が使われようが脂質が使われようが、消費エネルギーは変わりません。5分ずつ、10分ずつなど細切れでも良いので、なるべく多く身体を動かすことが大切です。
飲酒や喫煙の習慣
飲酒や喫煙も隠れメタボの一因となります。
アルコールは適量ならば問題ありませんが、飲みすぎは高血糖、高血圧、脂質異常症をまねくことに。食欲を増進させるので食べ過ぎたり、ついつい脂っこいおつまみを多くたのんだりもしがちです。これらによってカロリー過多になることも、脂肪を蓄積することにつながります。
喫煙は百害あって一利なし。メタボにも関係が深く、動脈硬化や糖尿病を促進させることが明らかになっています。いまさら禁煙してももう遅い、という事はありません。禁煙すると心血管病のリスクは速やかに減少するそうです。
また、自分だけではなく、受動喫煙によってもメタボの確率が上昇してしまいます。自分のためにも、周りの大切な人のためにも、禁煙することをおすすめします。
隠れメタボ予防のカギは「食事と運動」
短い時間でも良いので、毎日なるべく多く運動することが脂肪燃焼につながります。ウォーキングやジョギングなどにこだわる必要はありません。日常生活のなかでも活動量を増やすことは十分できます。
・ エスカレーターをやめて階段を使う
・ 歩幅を広くして歩く
・ 車や自転車を使わずに歩く
・ 通勤も一つ手前の駅から歩く
・ 掃除をこまめに行う
これらの積み重ねでも、隠れメタボは予防できます。余裕があればウォーキングなどの有酸素運動をとりいれてみましょう。さらに、スクワットなどの筋トレを組み合わせると、筋肉の質と量が向上するのでより効果的。
また、せっかく運動しても、たくさん食べて摂取エネルギーが増えれば意味がありません。カロリーを抑えつつ、筋肉を落とさないためにバランスよく食べましょう。
メタボや隠れメタボにつながりやすい食生活を改めることも大切。
・ 早食い、間食、夜食はやめる
・ 朝食を抜いたりせず、1日3食規則正しく食べる
・ 腹八分目を心がける
隠れメタボを予防するためには、食事改善と運動を両方おこなってはじめて効果が期待できます。無理のない範囲で、毎日できることから実践してみましょう。
まとめ
見た目は痩せてスリムであっても、健康であるとは限りません。外見を気にして過激なダイエットをしてもすぐリバウンド、これを繰り返していれば内臓脂肪がたまる一方!さまざまな病気の引き金となり、隠れメタボになる可能性大です。
ありがたいのは、内臓脂肪は皮下脂肪よりも落としやすいということ。食生活の改善と適度な運動で内臓脂肪を減らすことができます。さらに太りにくい体質を手に入れることもでき、一石二鳥。
外見だけにこだわるのはやめましょう。体脂肪率もしっかり把握して、内側から健康的な身体をめざしましょう。