心拍数を活かして有酸素運動で効率よく脂肪を燃やす!

同じコースを同じ速度で走ったとしても、ある人はキツイと感じるし、別の人は楽チンだからまだまだ走れる、と感じるでしょう。
人によって効果的な運動強度は違ってきます。「ちょっときつい」程度の運動が良いといわれていますが、キツイor楽チンという感覚的なものではいまいちピンときませんよね、
しかし、具体的な数値で運動強度を表すことで、無駄なく最大限の効果を得られるトレーニングをすることが可能です。カギとなるのは「心拍数」。心拍数を活用して、効率よく脂肪を燃やしましょう!
【目次】
・ 心拍数とは
・ 心拍数の測り方
・ 最大心拍数とは
・ 最大心拍数と運動強度
・ 心拍数を有酸素運動に活かす方法
・ まとめ
心拍数とは
心拍数とは、心臓が収縮して血液を送り出すためにドクンと拍動する数のこと。通常は1分間あたりの回数を指します。心拍数は、手首や首に触れて計測できる脈拍から分かります。
脈拍は、心臓がドクンと血液を押し出したときに生じた動脈内圧の変化が、全身の動脈に伝わったもの。心拍数と脈拍数はほぼ同じとされています。ただし、不整脈などがある場合は、拍数に違いが生じることがあります。
心拍数の測り方
それでは、さっそく心拍数を計測してみましょう。それには、安静時に測るのがポイント。朝、目が覚めたら起き上がる前に計ります。
手首で測る
人差し指、中指、薬指をそろえて、反対の手首の内側の動脈にあてます。もしくは首筋(耳たぶから指3本分下がった位置)でもOKです。
1分間の間に何回脈打つか数えましょう。1分待てない!という場合は、
6秒間数えて10倍する
10秒間数えて6倍する
これならすぐできますね。
心拍計を使う
一番手軽なのは、心拍計を利用すること。いちいち数えなくても瞬時にわかるのがメリットです。
心拍計には種類がいろいろあります。
とても軽く、指に付けても気になりません。脈拍数だけではなく、消費カロリーや運動した時間なども計れて便利。
腕時計タイプ・ 胸にチェストベルトを巻き、データが腕時計に転送されるタイプ
・ チェストベルト不要で腕時計だけで脈拍を計れるタイプ
チェストベルトタイプの方が正確に計ることができます。しかし、わずらわしさは否めないので腕時計だけのものの方が気軽に使えるでしょう。
運動時には、心拍計測機能のついたランニングウォッチ、腰回りや手首につけるアクティブトラッカー(活動量計)などが便利です。
最大心拍数とは
自分の安静時の心拍数が分ったら、どれくらいのペースでどれだけ運動するかという目安になる運動強度を決めていきます。そのために必要なのが最大心拍数です。
最大心拍数の求め方
最大心拍数とは、心臓が1分間にドクンと収縮できる限界の心拍数のこと。
計算方法はこちら。
・ 220-年齢
例えば、40歳ならば、220-40=180なので、最大心拍数は180となります。
ただし、この方法は科学的根拠がないとして、他の算出方法もいろいろあるようです。
・ 206.9-(0.67×年齢)
・ 208-0.7×年齢 など
この記事では、一般的な「220-年齢」で最大心拍数を求めていきます。
心拍数が最大まで上がるのは危険!
運動をすると、エネルギーを作り出すために大量の酸素が必要となります。運動強度が上がれば、その分の酸素を供給しなくてはならないので、当然心拍数も上がります。
しかしどんなに頑張っても限界があります。最大心拍数は最速の心拍数に近い状態。レッドゾーンぎりぎりといえます。これ以降は危険領域になるため、超えないように注意しましょう。
最大心拍数と運動強度
それでは、次に運動強度を計算してみましょう。ウォーミングアップ、ダイエット、体力向上など目的に合わせた運動強度を把握しておくことで、効率よく運動することができます。
運動強度の求め方
運動強度は、安静時と運動した時の心拍数で求められます。
・ (最大心拍数-安静時心拍数)×目標係数+安静時心拍数
最大心拍数は220-年齢。目標係数は、ダイエット目的の場合、最大心拍数の40~60%が適切であるといわれています。
実際に計算してみましょう。
・ 年齢45歳
・ 安静時心拍数70
・ 目標係数 40~60%
(220-45-70)×0.4~0.6+70=112~133
ダイエット目的ならば、運動時の脈拍が112~133が望ましいということになります。
運動時の脈拍は、運動直後に手首に手を当てて10秒間の脈拍数を数え、6倍しましょう。これで1分間の心拍数を出すことができます。ランニングウォッチなどでももちろんOKです。
脈拍は体調によっても変わってきます。運動を習慣として長く続けていれば、脈拍も上がりにくくなるでしょう。これは体力がついてきたためで、一度により長く運動することができるようになります。
運動強度と効果
それでは、目的別に効果的な心拍数をみてみましょう。
・ ウォーミングアップなら40%程度
・ ダイエットなら40~60%
・ 体力を向上させるなら60~85%
運動時の脈拍数がそれぞれの値に近く、なおかつ超えない程度であることが理想です。
ただし、運動を始めたばかりだと、脈拍がそれほど高くなくてもきつく感じることも。それが原因で身体を動かすのが嫌になってしまうようでは無意味です。始めは慣れるために運動を定期的に続けることから始めましょう。
心拍数を有酸素運動に活かす方法
有酸素運動を始める前に、どのように心拍数を活用すればよいのか、みてみましょう。
きつすぎる運動は酸素を取り込めない
有酸素運動は、酸素を呼吸によって取り入れ、消費しながら運動するためのエネルギーを作り出す運動です。
酸素が取り込まれることにより脂肪が燃えてエネルギーとなります。つまり、脂肪を燃やすためには酸素が必要。
息切れするようなキツイ運動は十分に酸素を取り込むことができません。さらに、苦しいと感じるほど運動強度が上がると、脂肪よりも糖が優先的に使われてしまうことに。そのため脂肪の燃焼も効率よく行われないという事になります。
ランニングかウォーキングか?
先ほども説明したように、息切れする運動は酸素を取り込めないため脂肪を燃焼することができません。
人によって運動能力は違ってきます。ダイエットをしようと思って、普段運動をしていなかった人がいきなりランニングを始めても、呼吸が乱れて十分な酸素が供給できません。まずは、ウォーキングから始めましょう。
もちろんただ歩くだけては意味がありません。脂肪を効率よく燃やすには、運動時の心拍数を、最大心拍数の60%前後に保つと効果的。これは、「少し息が切れるけれど、ぎりぎり人と会話ができる」状態です。
続けていくうちに心肺機能も向上し、速度を上げても会話ができるようになると思います。その段階で少しずつランニングに変えていってもよいでしょう。もちろん、始めからランニングで会話ができる人は、ランニングから始めても構いません。
まとめ
以前は1回20分以上運動しないと効果がないといわれていました。しかし、分けて行っても減量効果があることが分ってきたそうです。できれば1回の運動を最低10分行い、合計30分にするのがおすすめとか。
もちろん毎日やるのがきつければ、最初は週2~3回でも構いません。習慣にすることが大切です。
また、せっかく運動をするならば、効率よく行いたいもの。心拍数を参考にして、無理なく続けるようにしましょう。