AGEs(終末糖化産物)が老化や病気の原因!?減らす方法はある?

身体を老化させ、美肌の敵となるもの。それは、「AGEs」です。
AGEsとは、「終末糖化産物」のことで、老化を進める原因物質です。このAGEsを溜めないことが、シワ、シミ、くすみなど見ための老化を防ぐ事につながります。
また、外面だけでなく生活習慣病など様々な病気を予防することにもなるのです。
では、どうすればAGEsを予防することができるのでしょうか?
まずはAGEsについて正しく知り、今日から老けにくい身体を目指しましょう!
【目次】
・ AGEsとは?
・ AGEってどうやって測るの?
・ AGEが増えるとどうなるの?
・ AGEを増やさない方法
・ まとめ
AGEsとは?
AGEとは、「Advanced Glycation End Product(終末糖化産物)」の頭文字をとったもの。複数形を示す「s」をつけてAGEs「エージス、エイジス、エイジズ」などと呼ばれます。
「終末糖化産物」が示す糖化とは、糖質とたんぱく質が結合し、たんぱく質が劣化する現象を指します。
ご飯やパンなどの炭水化物(糖+食物繊維)や甘味類など、食事から摂取するカロリーの半分以上は糖質。これらは血液によって運ばれて、各細胞のエネルギーとして使われます。
問題は、血中の糖が過剰になった場合。余分な糖は、身体の細胞や組織を構成しているたんぱく質と反応し、体温によって熱せられて「糖化」が起こります。
このときに作られるのが、強い毒性をもつAGE。
老化の原因物質が蓄積されると、肌、骨、血管など身体中を蝕むでしまします。
早い段階で血中の糖の濃度が下がれば問題ありません。しかし、高血糖の状態が続くとAGEが多く作られてしまうのです。
AGEってどうやって測るの?
身体のなかで、糖化がどのくらい進んでいるのかを測定する方法があります。それが、AGEs体内糖化度検査です。
この検査では、採血する必要はありません。腕を測定器に上をのせるだけ。5分もかからずに測定できます。
これによって、体内の老化度がわかります。病気になる危険度や、各年齢の平均値と比較して、自分は何歳に相当するのか、なども把握することが可能。
もちろん、すでに糖化したものを消すことはできません。しかし数値を知ることで、食事や生活習慣を見直し、この先AGEsを増やさないように意識することはできます。
そうすれば、病気のリスクも抑えられ、シワやたるみなどの老化も遅らせることができるでしょう。
AGEが増えるとどうなるの?
老化の元凶ともいえるAGE。
体内でどんどん増えていくと、具体的にどのようなことになるのでしょうか。
病気の原因になる
AGEが身体中に蓄積されると、細胞や組織を老化させてしまいます。
血管が糖化によって弾力を失うと、血管壁に炎症ができやすく、動脈硬化の恐れが出てきます。進行すれば、心筋梗塞や脳梗塞になり、命にかかわることになりかねません。
骨に蓄積すれば、骨粗しょう症に。目であれば、白内障、ドライアイなどの一因にもなってしまうのです。
老化が進む
身体の内部だけではありません。
AGEによって肌のコラーゲン繊維が破壊されハリが保てなくなり一気に弾力を失います。さらに老廃物が皮膚細胞にたまれば、シミやくすみの原因に。
髪の毛もほとんどがたんぱく質から出来ています。AGEが蓄積すれば、ハリやツヤがないパサパサの髪になってしまいます。
見た目を一気に老けさせる、シミ、シワ、髪のパサつきなどは、AGEが大きく関与しているのです。
AGEを増やさない方法
さまざまな病気の原因となり、シミ、シワなど美肌の大敵ともなるAGE。増やさないようにすることはできるのでしょうか。
実は、普段の生活をちょっと意識するだけで、体内での糖化を予防する3つの方法をご紹介します。
方法は3つ。
・ 体内でつくられるのを防ぐ
・ 外からとりこむのを防ぐ
・ 日頃の習慣を見直す
それでは具体的にみていきましょう。
1.体内でつくられるのを防ぐ
甘いお菓子はもちろん、主食となるご飯やパンなど、ほとんどの食品に糖質は含まれています。糖質は大事なエネルギー源。全く摂らないことも健康に弊害をもたらします。
先ほど説明したように、AGEは血糖値が高い状態が続いた時に多く発生します。そのため、食べ過ぎを防ぎ、血糖値を高くしないことが大切。
そこで、血糖値の上昇を抑えるために、簡単にできる対策を紹介します。
野菜を先に食べる |
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野菜や海藻類など食物繊維を多く含む食品を先に食べることで、糖の吸収を遅らせることができます。主食は最後がおすすめ。量を少なめにすれば、なお良いでしょう。
外食ならばラーメンに半ライスはNG。定食にしてサラダや小鉢などから食べましょう。
ちなみに砂糖や果糖は、血糖値を急激に上げてしまいます。おやつよりも、食後に食べるのがベストです。
ゆっくりと食事をする |
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早食いは血糖値を急激にあげることに。よく噛んでゆっくり食べれば、これを抑えることができます。また、満腹中枢が早目に刺激されるので、食欲を抑えることもできるでしょう。
GI値を意識する |
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食べ物には、血糖値が上がりやすいもの、上がりにくいものがあります。GI値とは、この食後の血糖値が上がるスピードを数値化したもの。
GI値が低い食品を選ぶことで、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。
たとえば、白いご飯よりもうどん、さらにそばの方がGI値は低くなります。さらに精白されたものより、全粒粉や玄米の方が値は低いです。
野菜は比較的血糖値が上がりにくいですが、イモ類はGI値が高いので控えめに。
しかし、毎食GI値の低いものばかり食べているとストレスになります。1日1食は主食をそばにする、食パンよりも全粒粉パンを選ぶなど、できることから始めてみましょう。
<参考リンク:GI一覧の記事(未UP)>
AGEを下げる効果のあるものを摂取する |
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日頃からAGEsの発生を防ぐ効果のあるものを意識して摂るようにしてみましょう。
緑茶、ウーロン茶などに含まれる茶カテキンには、AGEsの抑制作用があります。食後よりも食前に飲むと効果がより期待できます。
また、AGEの多い揚げ物を食べるときには、酢やレモンをかけて食べるのがおすすめ。
クエン酸は食品のAGEを減らしてくれるだけでなく、糖質の代謝を促進する効果もあります。
他にも、AGEの発生を防ぐ効果のあるものには、以下のようなものがあります。
抗糖化作用のある成分
・ ビタミンB1 糖質の代謝を促す (豚肉、うなぎなど)
・ ビタミンB6 AGEの吸収を阻害する (豚肉など)
・ カテキン AGEの吸収を阻害する (緑茶など)
・ クエン酸 食品のAGE量を半分にする (酢、レモンなど)
・ アリシン ビタミンB1の抗糖化作用を持続させる (たまねぎ、長ネギなど)
2.外から取り込むのを防ぐ
AGEは、体内で作られているだけではありません。
たんぱく質と糖質が熱によって変性したものが、「糖化」でしたね。ホットケーキやクッキーを思い出してみ下さい。
材料は、小麦粉や砂糖などの糖質と、卵や牛乳などのたんぱく質。これらが加熱されてこんがりと焼けたものです。
このおいしそうな焼き色は糖化の証なのです、ついているものほど、AGEが多いということなのです。
同じ食材でも調理法によってAGEの量は変わってきます。一般的に、高温で調理するほどAGE量は増えやすくなります。
揚げる > 焼く > 茹でる・蒸す > 生
唐揚げよりも蒸し鶏、目玉焼きよりもゆで卵、魚ならば刺身の方がAGEは低く抑えられます。
とはいっても、高温調理したものを食べないというのは厳しいもの。
先ほど説明したように、揚げ物にはレモンをかけるなど、AGEsを減らしてくれるものをプラスして、無理のない範囲で実践してみましょう。
3.日頃の習慣に気をつける
食事だけではなく、普段の生活も見直してみましょう。日々の積み重ねが10年後の健康につながります。
食後1時間以内に運動する |
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食後はお腹一杯で動けないから、横になってTVでも…という生活をしていませんか?
食後の1時間以内は最も血糖値が上がっています。つまり、糖化しやすい時間。
このときに身体を動かして糖を使ってしまえば、血液中の糖が余りません。
適度な運動は、健康だけではなく、精神的ストレスを減らすことが可能なため、積極的に行いましょう。ジョギングのようなしっかりした運動でなくても、ウォーキングなどでも十分です。
それが無理ならば、食後すぐに寝転がるのではなく。食器洗いなどの家事するだけでもOK。たったそれだけでもAGEsの抑制効果があります。
喫煙は百害あって一利なし! |
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いくら食生活に気を付けたり、運動をしたりしても、タバコを吸っていたのでは意味がありません。
タバコが健康に良くない事は周知の事実。
喫煙歴が長いほどAGEも蓄積されていきますが、実は周りの人が副流煙を吸っただけでも、約30分でAGEが増えると言われています。
自分だけではなく、周囲の大事な人の健康を守るためにも禁煙することをおすすめします。
まとめ
「AGEsを増やさない方法」を実践すれば、老化の進み方もかわってくるはず。正しい知識を知った上で、日々の食事や運動習慣を見直せば、老化の原因のAGEsに対しても向き合えるはずです。
10年後も若々しい身体をキープするためにまず一歩を初めてみましょう。